落とし物管理所

2011年6月1日EXHIBITIONS

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会場 : パスト・バイナル・ストリート , 1 Corbridge Crescent
 London E2 9DS UK
日時 : 2011年6月11日(土), 12日(日), 25日(土),  26日(日)  土曜 10:00-16:00 日曜 10:00-14:00
http://lost-found.org.uk

イーストロンドンのとあるスペースを拠点に、落とし物を介して、地域コミュニティーとの関わりを探るプロジェクト。私は、私が住んでいたイーストロンドン(ハックニー・タワーハムレッツ)の住民の郵便ボックスに、ロイヤルメール(イギリスの郵便局)の不在表とそっくりな「あなたの落とし物をとりにきて下さい」と要請する不在連絡票をランダムに投函しました。そこには、落とし物管理所の場所と営業時間、落とし物番号が記載されていますが、物が何であるかは書かれていません。この不在連絡表を受け取った住民は、様々な思いを胸に、不在連絡票に記載された落とし物管理所を訪れました。落とし物管理所には、私が約1ヶ月かけてイーストロンドンの路上やクラブなどで集めた350の落とし物が陳列されており、そこに訪れた人は、不在表と引き換えにそのうちの1つを受け取ることができました。開催4日間で118名が訪れ、うち100名の手にアイテムが渡っていきました。

落とし物管理所をオープンした4日間の様子(地域住民との間に発生した対話)は、監視カメラのように見えるビデオカメラで撮影された40分の映像作品として記録されています。

このプロジェクト終了後、残った落とし物約250点は、同じイーストロンドンにあるBSix College構内に開設したショップ《BSix Free Shop》にて陳列されました。来店した学生は気に入ったものを無料で、または自分の物と引き換えに持って行く事ができました。前のプロジェクトでは人気 のなかった物がここでは真っ先に引き取られるなどして、約100のアイテムが居場所を見つけ、来店者が置いて行った180点が新たに追加され、合計約 330点となりました。

「”物”は、文脈や場を変える事でそれ自体のもつ意味すらも変化する」この約330点のアイテムが、その後2012年に水戸芸術館のクリテリオムで展示を行ったMending Mitoへと繋がるきっかけとなりました。